Tether、Eight Sleepに5,000万ドル投資 企業価値は15億ドルに

シリコンバレーのバイオハッカーの間で人気を集めている温度調整スマートマットレス企業 Eight Sleep が、5,000万ドルの戦略投資ラウンドを完了した。今回の投資は世界最大のステーブルコイン発行企業 Tether が主導した。
要点まとめ
- TetherがEight Sleepに5,000万ドルを投資し、企業価値は15億ドルと評価
- Eight Sleepは2025年にフリーキャッシュフロー黒字を達成
- TetherのQVACアーキテクチャを統合し、AIによる健康データ処理をデバイス上で実行
- Tetherは暗号資産の利益をバイオテクノロジー、AI、メディアなどへ積極投資
今回の取引により Eight Sleep の企業価値は15億ドルと評価された。これはわずか7か月前の10億ドルから倍増したことになる。
この資金調達により Eight Sleep の累計調達額は3億1,000万ドルを超え、同社は1年足らずで再びユニコーン企業となった。Eight Sleepは以前にも 2025年8月に1億ドルのSeries D を調達しており、2021年には企業価値5億ドルで8,600万ドルのSeries Cを実施している。
単なる資金調達ではない QVAC統合
今回の投資は通常のベンチャー投資とは異なり、戦略的要素が強い。Tetherは資金提供に加え、QVACアーキテクチャをEight Sleepのプラットフォームへ統合する。
この技術によりAIによる健康機能をクラウドではなくデバイス上で処理できるようになる。個人の健康データをクラウドへ送信する必要がなく、プライバシー保護の観点からも注目されている。
記録型から予測型AIへ
Eight Sleepは単なる睡眠データの記録から、予測型AIへと進化しようとしている。深夜の運動やストレスの増加といった状況をAIが分析し、問題が起きる前にベッドの環境を自動調整する仕組みの開発を進めている。
また、睡眠時無呼吸症候群の検出と改善を目的とした機能について米国食品医薬品局の承認取得も目指している。
暗号資産を超えて拡大するTetherの投資
TetherのCEO Paolo Ardoinoは、今回の投資をAI技術を実用的な健康分野へ応用する戦略の一環と説明した。
同社はここ数年、暗号資産中心の投資から「Tether Evo」と呼ばれる新しい投資ポートフォリオへ資金を移している。このポートフォリオは人間の健康やパフォーマンス技術を中心としている。
すでに脳コンピュータインターフェース企業 Blackrock Neurotech に2億ドルを投資しているほか、動画プラットフォーム Rumble に7億7,500万ドルを投入。AIとGPUインフラ企業 Northern Data にも出資している。またサッカークラブ Juventus の株式も10%以上保有している。
Tetherは2024年に約130億ドル、2025年に約100億ドルの利益を記録したとされ、今後も同様の投資を続ける資金力を持つ。
Eight Sleepは今回の資金を国際展開に充てる予定だ。現在34か国へ製品を出荷しており、さらにグローバル市場への拡大を進めている。
再び注目される収益性の高いハードウェア企業
今回の取引は、長らくソフトウェア企業に注目が集まっていたベンチャー市場において、ハードウェア企業が再び関心を集める中で行われた。
Eight Sleepが2025年にフリーキャッシュフロー黒字を達成したことは投資家にとって重要なポイントだ。収益性を持つ消費者向けハードウェア企業は非常に少ない。
Eight SleepのPodデバイスは、企業経営者やトップアスリートの間で高級ウェルネス製品として認知され、プレミアム市場を確立している。
Tetherの投資が成功するかどうかは、Eight SleepがAIおよび医療技術のロードマップをどれだけ迅速に実行できるかにかかっている。
本記事は教育目的の情報提供であり、金融・投資・取引に関する助言ではありません。Coindoo.comは特定の投資戦略や暗号資産を推奨・保証するものではありません。投資判断を行う前に、必ずご自身で調査を行い、資格を有する金融アドバイザーにご相談ください。





